チリンというベルが鳴る音に誰よりも早く反応して、入口へ視線を向ける。
そこにいたのは、待ち人・・・土浦梁太郎。
「梁!」
「・・・お前、どうしてここに?」
「何となく梁がここに来る予感がしたから。」
にっこり笑顔で予言めいた事を口にする幼馴染に呆れ、踵を返して店を出ようとするとその背を何かに掴まれた。
「嘘っ!今日、サッカー部練習休みだって言うから先回りしたの!!」
「・・・最初っからそう言えよ。」
気付かれないように口元を緩めると、再び踵を返し店内へ入る。
そしていつもならすぐに声をかけてくるであろう人物を探して視線をさ迷わせるが、その人物が見当たらない。
「・・・。」
「ん?」
「あのオヤジは?」
「お買い物。」
「はぁ!?」
「あたし、店番。」
にっこり笑顔で自分を指差す幼馴染を見て、大きなため息をつく。
「音楽オンチのお前が店番〜?」
「あーひっどぉいその言い方!あたしだって留守番くらい出来るもん。」
「へぇー、じゃぁこの楽器の名前は?」
そう言って土浦がガラスケースの中に入っているチェロを指差すと、がゆっくり首を横に倒して小さな声で呟いた。
「・・・でっかいヴァイオリン?」
「ばーか。」
「何よっ!じゃぁ梁は何だか分かるの?」
「チェロだ。」
「・・・飴?」
「それはお前の好きなチェルシーだろ。」
「オモチャの車?」
「チョロQ」
「細長い揚げたドーナツ・・・」
「チェロス・・・って、いい加減怒るぞ。」
「うわ、ごめんっ!」
「全く、こんな音楽オンチに店番させるなんて、あのオヤジ店潰す気か?」
文句を言いながら空いている椅子に大きな荷物を置くと、がくすくすと笑い出した。
「何笑ってんだよ。」
「ん?やっぱり梁って優しいなぁって思って。」
「は?」
「オジサン帰って来るまで、一緒に店番してくれるんでしょ?」
「・・・そこまでお人良しじゃねぇよ。」
「嘘。だったら最初にあたしがここにいた時点で帰るはずだもん。」
「・・・」
図星を言い当てられて、些か居心地悪そうに頭をかく土浦を見て、が店の奥にあるピアノを指差した。
「ね、店番ついでに客寄せしちゃおう♪」
「はぁ!?」
「連弾しよ、連弾♪」
「連弾って・・・お前が出来る曲なんて限られてるだろ。」
「なんだとー、猫ふんじゃったマスターに失礼な事を!」
「だから・・・、おまえが弾けるのそれだけだろうが。」
そう呟いたが既に鼻歌を歌いながらピアノの鍵盤を弄り始めたに土浦の声は届かないらしい。
結局のいう事に逆らえない自分に苦笑しながらも、制服の袖をまくって隣に腰を下ろす。
「ま、適当にアレンジしてやるから、お前は普通に弾いてろ。」
「うん!」
それから暫くの間、猫ふんじゃったが南楽器から流れていたが、一度として同じ猫ふんじゃったが流れる事はなかったとか。
確か、コルダを読んで最初に気になった人が土浦くんでした。
まぁアラモードで伊藤健さんを見たからってのもあるかもしれませんが(苦笑)
・・・元々伊藤健さん好きだしね。
漫画を読んだらあまりのイイ人っぷりに、思わず「おおっ、いい人」と呟きましたもんね。
とりあえずコルダはこれで一旦終了。
一応ヒロインは統一性を持たせようと思ったので、土浦くんの幼馴染で同級生。
音楽オンチだけど、何故かコルダに出てくるメンツとは仲がいいって感じです。
何故音楽オンチかと言うと、私がそうだからです(キッパリ)
楽器も音も分からんさーっ!!(笑)←恥暴露
ちなみにタイトルは最初「猫踏んじゃった」でした。
でもあまりにあまりだったので「連弾」を英語に変換した上、更にフランス語に訳してみました。
・・・内容はともかく、カッコイイタイトルだ!と自画自賛(笑)